バージャー病(閉塞性血栓血管炎)とは
概要
血管炎により手足の動脈をつまらせて虚血(血行障害)を起こします。
慢性動脈閉塞に共通の症状に加え、手足の冷感・しびれ感・チクチク感、痛み、ふくらはぎの痛み・しびれ・疲労感、手足の潰瘍・壊死(50%もの患者さんに見られます)の症状が見られます。
原因は今なお不明ですが、タバコが発病や病状の悪化と極めて密接に関係しており、受動喫煙が原因となる患者さんもいます。30~40歳代の男性に多く、ほぼすべてが喫煙者です。わが国では難病指定を受けているため医療費は各都道府県で負担されます。
診断
50 歳未満の若年者でタバコを20本/日吸い、上肢・下腿動脈閉塞(手足の指の冷感・頭痛・潰瘍・壊疽) 、遊走性静脈炎(腕や足の皮下静脈の炎症)、喫煙以外の閉塞性動脈硬化症のリスクファクター(危険因子)がない事を満たし他の疾患が否定されれば診断が確定します(塩野谷の臨床診断基準 105)。検査は種々の血行障害の検査と動脈造影検査など必要となります。
治療
禁煙指導が治療の根幹をなします。
禁煙すると痛み・潰瘍などの病状は急速に回復に向かいます。しかし、血管閉塞はそのまま残ります。禁煙を維持出来れば新しい血管が形成され、虚血症状は改善しますが、薬で良くならない場合は血管移植手術(バイパス手術)が必要となります。
当院では旭川医科大学病院と連携し、手術に向けてのご紹介、手術後の自立歩行へ向けてのリハビリやフットケアなどを地域医療連携で行います。